ラブ☆ヴォイス

「でさー唯ちゃんは夏休みの予定とかもう結構決まってる?」
「あーいえ。全然決まってないですよ。でも短期のバイトをちょこっとやろうかなって。」
「バイトなんてお前にできんのかよ?」
「なっ…あたしだってできるもん!」
「そうだよねー…学生だしお金必要だもんね。で、何のバイトするの?」
「プールの監視員です!」
「うわー夏っぽいねー。」
「はいっ!」
「でもさー唯ちゃん、可愛いから心配だなぁ…。」
「え?」
 
 はぁーとあっくんが小さくため息をつく。

「だってさープールで変なヤローに出会っちゃって唯ちゃんが連れてかれちゃったらって思うと…。」
「そっ…そんなこと絶対ないですっ!だから心配無用です!」
「タツ、くだんねぇ心配すんなよ。この程度の女に飢えるほど、世の中の野郎どもは落ちぶれてねぇ。」
「なっ…それは言い過ぎなんですけどっ!」
「まったく御堂は全然分かってないね。唯ちゃんはこぉーんなに可愛いのに…。」
「いえっ…可愛さも色気も皆無ですがっ…!」

 可愛さも色気も全然ないけれど、それでもあっくんの言い草は酷過ぎる!こんな奴を好きな人だってもしかしたらいるかもしれないのに…!