「目なんてとっくに覚めてるよ。ちゃんと本気であっくんのことが好き。だから…もう行くね?明日からの夏休み、楽しもうね!」
「あ…おいっ!」

 光の言葉を振り切って、唯は走り出した。光の口からあっくんへの恋心を否定されるのは辛い。光のことを嫌いになりたくないからこそ、光の口から聞きたくない。唯はそのまま、近所のスーパーへと掛け込んで、食材調達をすることにした。



「…俺の言いたいことなんか一つも分かってねぇよ…唯。」



 光の切ない呟きと、微かな溜め息が一つだけ残った。