ラブ☆ヴォイス

「唯ちゃんと話してる時の御堂さん、あんな顔は初めて見たわ。なんて言うか…いつもの役のイメージとは全然違う、『普通の男の人』って感じ。」
「普通の男の人…。」
「あ、もちろん普通の男の人よ?ただね、御堂さんの今までの作品とか拝見してきたけど、いつも本当にかっこいい役が多いじゃない?ハニメロの先生にしたって大人の男って感じだし、他だって女性の憧れる男性像を形にした役が多い。もちろん悪役みたいなものもできるけど、やっぱり御堂さんのイメージはかっこいい男の人の役よ。でも今日は違う御堂さんを見れた。御堂さんのイメージ、変わっちゃったわ。」
「…どんなイメージになりましたか?」
「仕事とオフのギャップが激しいなぁって。オンオフがしっかりしてるって言えばいいのかなぁ…。唯ちゃんと話してる時は完全にオフって感じ。でもそれがすごくいい味出してる。」
「あたしと話してる時…オフ…ですか…。」
「それ、全然悪い意味じゃないのよ?むしろすごく良い意味。御堂さんが素を出してるところ、なかなか見れないもの。空野さんと話してる時なんかも結構素だけど、それとはまた別よね。」
「別?」

 先生が何を言おうとしているのか、唯にはよく分からない。

「唯ちゃんにはぜひ頑張ってほしいわ。というか、唯ちゃんたちを漫画にしちゃいたいくらいよ。」
「えぇ!?漫画に?」
「声優と女子大生の恋…。なんだか可愛いじゃない?」
「えぇー!?はっ…恥ずかしいですっ!」
「もっとお話聞かせてほしいなぁ…。」
「困りますーっ!」

 唯の方は恋だけれど、あっくんが振り向いてくれる可能性は…どう考えたってないのが現状だ。それでも、そんなことを知らない先生は、唯への質問攻めをやめなかった。