ラブ☆ヴォイス

「え…?」
「恋する女の子の顔してるもの。相手は御堂さん、ね?」
「……。」

 嘘を吐くのは昔から苦手だった。だから今も上手く嘘なんて吐けやしない。

「御堂さんの声への反応がすごかったもの。声に恋してるみたいだった。」
「…そんなに分かりやすいですか、あたし…。」
「可愛いくらい分かりやすいわ。素直な女の子って魅力的よ。」

 ただ真っすぐに春風先生はそう言った。

「…叶わない可能性が高い恋…なんです。」

 春風先生があまりにも真っすぐだったからかもしれない。だから唯は、心のどこかで思っていたことをいつの間にか口にしていた。

「そうかしら?」
「え?」
「今、唯ちゃんはもしかしたら御堂さんのすごく近くにいるんじゃないの?」
「…どうして…そう思ったんですか?」
「だっていつもの御堂くんとは違ったもの、今日。」

 それはどういう意味なんだろう。