「お前…。」

「バカだなって自分でも思うよ。
何考えてんのか自分でもよく分かんねーし。
でも、あんな子をまた外に放り出すなんて俺にはできない。」

「それは…同情?」

「同情なんかじゃねーと思うけど。
むしろ…なんつーか…」

「世話焼き?的な?」

「そんな感じ。
ほっとけないんだよ。
あと理由はもう一つ。」

「なんだよ?」

「彼女の声を聞きたい。」




あまりにも曇りなく、はっきりと言うから…
先生の声はあたしの耳に真っすぐ届いた。

そして頭の中でリピートする。

「声を聞きたい」