「だっ…だからってお前が彼女を引き取る理由にはならないだろ?」

「ああ。
それもお前の言うとおりだよ。」

「だったら…。」

「俺が彼女に言ったからだよ。
声が出るようになるまでは家にいろってな。
彼女はもう忘れてしまってるかもしれないけど。」


先生も…覚えていた…
そのことが…単純に嬉しくもあり、悲しくもあった。
あたしに「リミット」を思い出させる。

「お前バカか?
なんでそんなこと言ったんだよ?
お前と彼女は何の関係もない、赤の他人だろ?」

「ああ。
あの雨の日に出会わなけらば一生赤の他人のままだっただろうな。
でも、出会ったんだよ。彼女に。」


聞く気はなかったのに、真剣に二人の話を聞いているあたしがいた…。