「っ…そ…それは…。」

素直なやつ。
もっと尖っていたあの頃を思い出せば、随分素直になった。
そういう変化が…
その素直さが、単純に俺にとっては愛しい。


「素直になれよなー。」


そう言って俺は理沙子を抱き寄せて深くキスをした。

理性なんてどこかに飛んでしまっていた。


「…っ…ちょ…く…苦しいって!!」


そう言われて唇を離す。


「基本的には俺からするけどたまにはお前からしてくれたりするとすっげー嬉しいんだけど?」


俺は耳元でそう呟いた。


一気に顔が赤くなる理沙子。


「もうしないって言ってるでしょ!?」

俺に背を向けて車へと急ぐ理沙子。慌てて俺も謝る。

「はいはい。ごめんって。ちょっとからかいすぎた。」


その言葉を聞くと、くるっと向き直って…

理沙子から俺に抱きついてきた。

そして俺にしか聞こえないような小さな声で


「大好きっ!」

そう言ったんだ。




*END*