ソファーに下ろされ、あたしは覚悟を決める。
男なんてみんなそう。
あたしは性欲を満たすための道具。
汚い目で見つめられるに違いない。

そう思っていたのに…

あたしに降り注いだのはそんな目線じゃなかった。
そんなのよりもずっと優しい言葉だった。


「危害を加えたりはしない。
だから安心してここにいろ。
そんな体で出ていかれたら余計気になるし。」


ただ単純にびっくりした。

そんなこと…言われるなんて…

でも、そんな感情を素直に表す方法なんてとっくの昔に忘れてしまっていたらしい。
だからあたしは眉間にしわを寄せて男を見つめることしかできなかった。


そんなあたしの警戒心むき出しの様子を見て男は

「怪しい者じゃないって。
宮園聡。俺の名前。」

そう言った。

その言い方も、その声も…
妙にあたしに馴染んだ。