* * * 


「はいどうぞ、お姫様。」

そう言って彼女を助手席に下ろす。

「あ…りがと。」

そう言って顔を赤らめて、ふいっと下を向く。

俺はそんな彼女の隣に座ってハンドルを握った。


「どこ行くの?」

「んー…着くまでのお楽しみってことで。」

「?」


俺は車を走らせた。



「ねぇ…ホントにどこ行くの?」

「どっか行きたいとこある?」

「え?もしかして何も決めてないの?」

「うーん…ちょっとは決めてるけど、今は決めてない。」

「じゃ…じゃあ今どこに向かってるの?」

「んーっと…
ただのドライブってとこだな。
理沙子はどこ行きたい?」

「きゅ…急に言われても…
あ!!」


何か閃いたらしい。