「もう帰るだろ?」

「ああ。あいつが黙っている間にな。
このまま黙ってるとは思ってねぇけど。」

「言えてる。
じゃ、邪魔者の俺はこの辺で退散するよ。
あとはお二人さんで~。」

「お前は二言ぐらい余計なんだよ。」

「じゃーな!!」


俺にひらひらと手を振って真は行ってしまった。


廊下に残る俺と理沙子。


あんなに呼べなかった名前もあっさり口にできている自分に驚く。


俺は駐車場へと急いだ。