「何?」

明らかに不機嫌そうな顔をして、あいつは言った。

かつてのあたしなら拒絶なんかしなかったからだろう。


「お前はどうして…
俺の神経を逆なでするようなことばかりするんだ?」


比較的ゆっくりと、そして言葉に怒りを込めてあいつは言った。


「なぁ?
お前はいつの間にそんなに傲慢になったんだ?
お前の身体にそんな価値はないだろう?
『触らないで』?笑わせるな。
お前に拒絶する権利なんかないはずだ。
そもそもお前に権利などと言うものは存在しない。」


そう。
少なくともあいつにとっては、
あたしは人間じゃない。
だから権利も存在しない。
あたしはただのモノ。
あいつの欲望を満たすためだけの、玩具。