先生の腕から抜け出して、あたしは朝ごはんを作る。

なんだかすっと寒さを感じる。


「依存症…みたい。」

自分で言ってて笑えない。
現に依存症みたいなものだから。

キッチンに行って朝食を作っていると、すこし寝ぐせのある先生が慌てて出てきた。


「どうしたの?」

「いないから…焦った。」

「焦りすぎ。」

先生はあたしの方に真っすぐ歩いてくる。


あたしはいきなり先生の腕に包まれる。

卵を落としそうになる。


「先生?」

「朝から焦らせんな。」

「…ごめん。」