【Satoshi side】

「先生、ご飯できたけどもう食べる?」

「ああ。今行くよ。」

俺はパソコンを切ってリビングへ向かう。


俺が仕事のときは朝食と夕食を彼女は作ってくれている。

それが日常になっていた。

あの、二人して泣いた日以来、彼女は少しずつ笑顔を見せるようになった。

「今日、何?」

「今日はハッシュドビーフだよ。
どのぐらい食べる?」

「ご飯盛るくらいは自分でやるよ。」

彼女の手から皿を取ってご飯を盛る。


二人で向かい合って食事。

これももはや日常。

「ん…んまい。」

「良かった。」

少し微笑みをこぼす彼女につられて俺の顔も緩む。