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「その再会を果たしてから、俺と美智は自然と一緒にいるようになった。

『付き合おう』なんて口約束はしなかったけど、一緒にいることがとても自然だった。

少なくとも俺は、素の状態でいられた。

美智がそばにいるのが、心地よかった。

そんな状態が半年ぐらい続いて、クリスマスにやっと俺は告白した。

口約束も必要かなと思ったから。

そこで正式に、美智は俺の彼女になった。


付き合う前と付き合おうと決めた後であった変化といえば、美智が少し俺に甘えてくることぐらいだったな。

二人きりの時…
みんながいるときには見せない、まるで年下のように甘えてくる美智がいた。

そんな美智が俺にとってはどうしようもなく愛しくて、ずっと守ってやりたい。

そう思った。

その時の俺は、美智が隣にいることがただ幸せで、その『甘え』の裏に潜んでいたものに気がつかなかったんだ。」