自分はトーストでいいとしても、病気の彼女にそんなものを食べさせるわけにはいかない。

何を食べさせたらいいんだろう…?

そんなことを考えながらキッチンに立っていると…



リビングの方でカタン…と小さく音がした。

俺はリビングに戻る。

彼女が目を覚まして、起き上っている。
部屋をきょろきょろと見回している。
まだ状況が分かっていないみたいだ。


「おはよう。」


一応、声をかけてみる。
予想以上に、かなり肩をびくっと震わせる。


「ごめんごめん…
そんなにびくつかれるとは思ってなかったよ。」


彼女の警戒心は全く解けていないようだった。