「迷惑だなんて言ったこと、俺一度もないよな?」

「ないけど…
でもどう考えたって迷惑じゃ…?」

「迷惑なんかじゃないよ。
何も言わなくても美味い飯作ってくれてんだろ?
掃除もしてくれて洗濯も…。」

「何それ。あたし家政婦?」

「そんなんじゃないけど…
まぁつまり、迷惑はかけられてないってことだ。」

「あたしを追い出さないの?」

「追い出してほしいのか?」

「質問に答えてよ。」

「追い出さないよ。好きなだけここにいろ。
俺はお前を闇に戻したくない。」

「そういうことばっか言うから…
あたし、先生を信じたくなるじゃん…
あたしもう…
誰にも…裏切られたく…ない。」


涙声でそういう彼女。

それは彼女の本音だった。

彼女がずっと昔から心に秘めてた本当の想いが、涙と共に溢れだしていた。