【Satoshi side】

声…が出ている。

朝、目覚めたときに彼女が俺の腕の中にいたことも驚きで、それに加えて彼女に触れても彼女がびくつかないことにも驚いて…
はっきり言ってその二つだけでも俺は状況を理解しきれないでいたのに…

なのに…


「彼女の声を聞きたい」

俺の願いがあまりにもあっさり叶ったことにただただ驚きを隠せないでいる。


「声…戻ってる…んだな。」

「うん。」

「なんで…?」

「分からない。」

「そう…だよな。」


頭がついてこない。
そもそもかなりズキズキする…
二日酔いか?


「大丈夫?」

「ああ。」