映画は見たかっただけ、あって面白かった。
映画が終わって、飲食店に入った俺はメニューを頼むと映画はあぁだった、こうだったと話した。
可奈ちゃんはそんな俺に、嫌な顔一つせず笑って聞いてくれている。
ふと、我がにかえった俺は、気まずそうに笑って
「ごめん、つい…」
でも、可奈ちゃんは首を横に振ると
「すごく楽しそうでよかった…」
って、嬉しそうに笑った。
その笑顔が、可愛くて可愛くて。
俺は、こんないい子に好かれてるんだ、で考えて何故か顔が緩んだ。
好き、とかよくわかんなかったけど、可奈ちゃんを見て少しわかった気がした。
…──君はいつも笑顔で。
…──君はいつも真っ直ぐで。
恋って悪くないかもなって。
また恋してみようって。
君が思わせてくれたんだ。

