Γ5月30日。日曜日…CityHotelにて――…」


地元にあるホテルの会場で同窓会が開かれると言う案内状。

あと1ヶ月後に同窓会が開かれる。


Γ懐かしいな高校時代…」


決していい思い出なんて何一つないけど…。けど、まぁ…あたしには関係ないや。

手に持っていた葉書をまたベッドに投げ捨てる。と、同時に鞄の中から密かに聞こえてくる振動に手を伸ばした。


鞄の中から携帯を取り出すと、またもや懐かしい懐かしい名前が画面から映し出されている。

鳴り続けるバイブ音を消すかの様にあたしは通話ボタンを押して、そっと耳に当てた。


Γ…はい」

Γあー…やっと出たぁ」


そう電話口から漏れてきたのは本当に疲れた声。そのため息混じりの声に、


Γあ、莉子。久しぶり」


あたしはそう言って手に持っていたミネラルウオーターを口に含んだ。


Γはぁ!?何それ!!久しぶりどころじゃないじゃん!!全然、連絡はしてこないし全然こっちには帰ってこないし、一体まったくアユは何してんのよ!!」


莉子の弾けたと言うか怒鳴り声混じりの声があたしの耳をジンジンとさせる。その所為であたしは耳から携帯を少し遠ざけた。

まぁ、莉子の言いたい気持ちもある。だってもう何年も連絡すらしてなかったから。