先にスタスタと駐車場に向かう菊池の後ろ姿を、あたしは呆然と眺める。



…きっと、アレだ。

あたしは菊池に、避けられているんだ。




「どうしてこう、仕事とプライベートで区別が付けられないかなぁ…」




困ったように一束掴むと、それをくしゃくしゃと弄りだす。


別に菊池と気まずくなったって、ぶっちゃけ関係ないんだよね、…プライベート上では。



だけど、今回は話は別。

あたしと菊池は、同じマネージャーであり、仕事仲間という、非常に大切な関係なのだ。


そんな菊池に避けられたら…




「仕事、しにくいじゃないの…」




昔、貞永と再び付き合い始める前、無理矢理襲われて、貞永との関係が危うくなった事があった。


その時は、オトナな貞永のお陰で、仕事とプライベートの区別はなんとか付けられていた。


…必要以上の会話は無かったけど。




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