はーっ。


アホらし。


風ちゃんが三国くんを好きだからって、何て事ねぇじゃん。


このチクチクした痛み。何だよ。


…オレ少し傷付いた?






風ちゃんを廊下で見送って、教室に戻る途中、知らないヤツに声をかけられる。


「タクミくんっ」


親しげに背中をポンと叩かれた。


「おぅ」


最近、オレにまとわりつく女子が増えたな…。確実に。


いつも以上に知らない人に話しかけられる事がやたら多い。


三国くんにこんなんやったら、無視か睨まれるからな。


オレなら、気軽にできるってのはわからんでもないけど。


「タクミくん、明日頑張ってね!」


「ど~も。うちトコに一票入れてな?」


「もちろん!ね、風ちゃんってショウタの元カノだよね。私こないだショウタと遊んだんだけど~、今だにボロクソだったよ」


…っ。アイツの話題が上がった時に、風ちゃんがいなくて良かったと思う。


思わず、周りを見回す。