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タクミと自販機の前までやってくる。


中庭は蝉の声がやたらうるさかったけど、沈黙が破られるからホッとした。


「風ちゃん、何飲む?」


「んー、ミルクティ」


「おっけ。んじゃそこ座ってな」


タクミは近くのベンチを指すと、私を座らせる。


そういえば、タクミと初めて会った日も私はベンチに座ってた。


タクミは…下の芝生に向かい合わせに座ってたよね。


「ハイよ、ミルクティ。…どした」


「私…気づかなかった」


私にミルクティを手渡し、芝生に座るタクミに釘付けになる。


そんな私を見て、タクミも不思議そう。



そう…。


ここでタクミと話したあの日。