―数日後


しばらくスタジオでの練習はなくて、グラウンドで三国くんと歌う日々が続いた。


前みたいに、登校中にタクミと出会う事はなくて…ホッとした。






そんなある日の事。


三国くんが、グラウンドでの練習を終えて、帰ろうとしていた私に声をかけた。


いつも練習が終わると、一緒に帰ったりはしない。


先帰っていーよと言われるんだ。


でも、今日は違った。


「今日、これからヒマ?」


三国くんは、ギターを片付けつつ聞いてくる。彼がこんな事言うなんて思ってなかった私は、多少ビビりぎみ。


「えっ?…う、うん」


何だろ…。今日のイケてない所のお説教?…怖い。


すると、三国くんはフッと表情を柔らげる。


「…ついてきて」


ギターを背負うと、私より先に歩き出す。


どこ行くのぉ?


行き先も告げられず、私は三国くんの後をついて行くしかなかった。