崇文は、心の中で盛大に舌打ちをした。 (細かいとこまで聞いてんなぁ…) 「どうせ女の子にフラれちゃったんでしょ?アタシが付き合ってあげますからぁ」 冗談じゃない、と崇文は思った。 (こんな匂いの女と向き合ってカレーなんて食えるか!) 「いやあの、僕、やり残した仕事を片付けて帰ろうと思うんで…」 と苦しい言い訳を試みたが、 「じゃ、従業員で入口で待ってまぁ~す」 「……」 そんな言い逃れが通用する相手ではなかった。