たとえばあなたが




「えー…っと、崇文くん」



「はい」



「キミの話を要約すると、友達と会うために家を出たら、向かいのお宅が変だった、と」



「はい」



「こんな時間に友達と遊ぶこと、よくあるの?」



「…別に」



「どうして向かいが変だと思ったの?」



無愛想な崇文の声と、遠慮のない大きな声が交互に聞こえた。



「玄関が開けっ放しになってて、でも誰も出入りしてなかったから」



「なるほど。それで、中に入ってみた?」



「……玄関ちょっと入ったとこまで…」



「そうか、大変だったね」



「……」



ふたりのやり取りは、そこで終わってしまった。