たとえばあなたが




暗くてよく見えないが、穏やかでない雰囲気であることは、少女にもすぐにわかった。



「叔父さん、何があったの?」



「大丈夫だよ」



「え?」



「何でもないから。でもちょっとうるさくなるからね、今夜は2階で寝ようか」



大輔は、固い表情で少女の腕を取って、引っ張るように階段を上がった。



「叔父さん!」



「散らかってて悪いけど、このベッドで寝なさい」



そこは、崇文の部屋だった。



「ねえ、叔父さん…」



「いいかい、叔父さんたちも今から忙しくなるから、絶対に部屋から出ちゃいけないよ」



少女は、自分の言葉に耳を貸してくれない大輔の様子に、恐怖を覚えた。



大輔は、少女の両肩をつかんで、しっかりと目を見て言った。



「わかったね、部屋から出ないように」



大きな手でつかまれた肩が痛かった。



「…はい…」



少女は、それ以上何も聞けないまま、返事をするしかなかった。