黒の三日月

「それにしても……どのクラスも力入れているね」


窓を開けて外を見てみれば、ペンキを塗る都合だからか幾つかのクラスが外に出て作業をしている姿がよく見える。

優衣が“本当だよね”と相槌を打ってくれたとほぼ同時に。

何処からか舞って来た紙がまるで漫画のようにぺシャリと私の顔に貼りついた。

それを取ってから真正面を見た瞬間、誰かの腕がにゅっと伸びているではないか。

ふと隣にいた優衣の表情見ると、何だか固まっている。優衣だけではない。

2人を除いてその場にいた全員が優衣と同じように固まっていた。


「えー……と?」
 

誰も何も言わないから私はどうリアクションを取れば良いかなんて分からなかった。