黒の三日月

1階に降りて、お父さん達を起こさないようにそろりそろりとお兄ちゃんのいる部屋に忍び込むように入ってから、

明かりもつけずにセピア色の空間のままお兄ちゃんの目の前に腰掛ける。

そして一言“おやすみなさい。また明日”と。

そう言ってからまた部屋に戻って、ベッドの中に潜り込んでさあ夢の世界へ……

なかなか旅立つ事は出来なかった。

何故か変な胸騒ぎがして、眠る事が出来なかったのだ。

眠れない時には外の空気を吸うのが良いのかな?

気分が落ち着いて眠りに入りやすくなるかもしれない。決めたら即行動。

ベッドから起き上がり、カーテンを少し開いてからカラッと微かに窓を開けて入ってくるのは外の心地良い空気……

なんかじゃなく、まるでこの瞬間を待っていましたと言わんばかりに、額に何かが幾つか当たった。