黒の三日月

「まあ確かに俺が来たいし食べたかったから、
岩代を誘ったのもあるんだけどな……それよりも岩代はピリピリしていたからさ。
少しは気晴らしになったみたいで良かった。こう言う息抜きもたまには良いだろ?」


何それ。まるで私の事を思ってこうしてくれたっていうの?

そうだとしたら余計なお世話なんだと思う。

私はそれを言いたかったのに、出てきた言葉はそれとは全く正反対の言葉。


「ヒ……夜見君も同伴させたのはイラッとしたけど、別に甘いのは嫌いじゃないから許す」

「許すって……俺は一体何をしたって言うんだよ?」


苦笑交じりに、少し照れながらに言う倉山は本当に悪い性格だけはしていないよな、

と改めて思う。その隣で相変わらず台本とにらめっこしている誰かさんとは違って。