黒の三日月

「此処なら静かだな。誰かがいる気配もないから、きちんと話す事が出来る」


夜見君はまるで何かを分析した後のように納得をした様子。

それじゃあ、早速本題に入ろうじゃないの。

私がすかさず“用件は何?”と聞こうとしたその瞬間に、

「まず1つ。今朝の事は黙っていてもらいたい。
そして2つ。事故と夜には気をつけろ。それだけだ」


私の言葉よりも早くに夜見君はずばずばと用件を言い、そしてその場を去った。

私は彼への質問も反論も許されなかったようだ。

引き止める事も出来たのに、そのあまりの早さに言葉をかけるタイミングを失ってしまった。

此処に来て、一息つく間もなく用件を聞かされ、

夜見君がこの場を立ち去るまでの時間はわずか数分。