黒の三日月

「な、何なの?」

「1つだけ言っておきたい事がある。いや、2つだな……此処だとうるさい。
何処か静かな場所はないか?」


此処では言えない事って何なんだろう?

静かな場所、静かな場所……思いついたのはたった1か所だけだった。


「1か所だけあるよ。付いて来て」


彼の言いたい事と言う物を早く聞きたくて、私はほんの少し駆け足で歩いていく。

ちらっと振り向けば夜見君も駆け足な私にしっかりと付いて来てくれている。

少し痛いくらいの視線を感じながらも、辿り着いた場所はと言うと。


「うわっ! 凄い風……」


扉を開けた瞬間に入ってくる風。フェンスで囲まれた天井のない空間。そう、屋上だ。