黒の三日月

ていうか高確率で名前付きの役が当たる中で見事に漏れた倉山は凄いと思う。

なんていう強運の持ち主なのだろう。

その強運を少し前の私に分けてくれれば良かったのに。


「じゃ、私用事あるから」


本当はそんな物もないのに何故かとっさにそんな嘘をついてしまう。

優衣だって今日は部活みたいだしね。1人で帰ろう。

教室の扉を出てすぐに背後から声がした。


「あ、いたいた! 章(あきら)ぁー!」

「何ぃー!?」

「急で悪いんだけど助っ人を頼むよ。お礼は弾むからさ」

「仕方ないなあ……」


隣のクラスの人達が倉山を頼って何かの助っ人を頼む声。ああ、またか。