黒の三日月

演目は演劇部の子が考えた冒険物語らしい。後は配役とかの担当分担を決めるのみ。

役者にだけはなりたくない。なったとしても脇役が良い。

そんな風に考えているのはどうやら私だけではなさそうだ。

主役をやるとなるとセリフだって膨大だしね。覚えきれないかも。


「じゃあ、まずは役者からだね。
出し物の準備期間が短い文化部の人と、部活に入っていない人は確実だからね?」


大瀬先生から、ついさっきクラス委員に就任した桜井(さくらい)さんに指揮が変わる。

最初に放たれた彼女の一言は、私を凍りつかせてしまう。だって私は茶道部だったから。

茶道部は準備という準備は殆どしないのだ。

つまりは強制的に役者決定と言うわけで。溜め息が出てしまう。