黒の三日月

それが私の勢いっぱいの怒りのぶつけ方。

勿論彼の歌が下手だという根拠は何処にもない。

それなのに夜見君は図星だと言わんばかりの様子だ。

表情が固まっているのが可笑しく思える。

そんな夜見君を放っておいて、私は勢いよく扉を開き外へと出て行った。

本当に学校一周をしてやろうかとも思ったけれど、

彼の歌声が凄く気になったから去っていくフリをして、廊下の壁にしゃがみ込んだ。


「いるのは分かっている。早く何処かへ行け」
 

教室にいた時よりも、大きな声が聞こえてくる……バレた?