黒の三日月

「どんな歌を歌うの?」

「……レクイエム。俺なりの」


間を開けてから夜見君はそう答えた。そう言う彼の表情は何故かとても恥ずかしそう。

顔が少し赤くなっているのが分かる。

そんなに恥ずかしい事を私は聞いてしまったのかな……じゃなくて!


「レクイエムって、死者を送る歌でしょ? しかも日課って……」

「毎日死んでいく奴にこうやるのはいけない事か?」

「いけない事じゃないよ。宗教か何かで?」


その私の質問に夜見君の赤かった顔はどこにもなくなっていて、

どこか不機嫌そうな態度を取られてしまう。

更にした質問に対してだって、言葉を発するのも嫌になったのかただ首を振るだけ。

変な事を聞いちゃったのかもしれない。だとしたら謝らないと。