黒の三日月

とりあえず目の前の危険は回避されたけれど、

これからまた同じような目に遭わないとは限らない。

早く人通りの多い所に出なければ。そう思った私は走り出す。全速力で。

そして学校に着く頃には死ぬんじゃないかってくらいに呼吸が苦しくなった。

こんなに走ったのは去年の学校行事であるマラソン大会以来じゃないかと思う。

グラウンドや音楽室から聞こえる朝練習の音を聞きながら、

のろのろと教室へと向かって行った。

やっぱり朝練習のない人でこんなに早く来ているのは私も含めて数少ない。

殆ど人に会う事はなかった。