黒の三日月

「“……命を張ってまで守りたいと言う意思が、その証拠だ” あいつは、そう言っていた」


お兄ちゃんはヒイラギを恨んではいなかったんだ……と言う事は、

この復讐だって望んではいないと言う事になる訳で。

ヒイラギは私への罪滅ぼし、そしてお兄ちゃんとの約束を果たす為に命を捨てる覚悟で……。


「何をすべきか分からなくて、最初は他の死神の気配が感じたらすぐにお前を羽交い絞めにしてしまったし、
何故自分にだけ見えるのかという質問にだって嘘をついたりしたがな」


影のないヒイラギに驚いた日だ。その時には既にヒイラギは知っていたのだ。

自分が見えている理由を。