黒の三日月

「……みたいだね。まさか僕と同じ運命辿るなんてね。悔しい。
紗千にはこれから沢山の幸せが待っているのにね。死神様って本当に残酷だね」


玲が無理して笑っている。きっと泣きたいのだろう。

そんな姿は見ていて痛々しい。……何とかしないと。


「玲。俺、人間の世界へ行く。お前の妹を助ける為に。
その妹に嫌われているのは覚悟の上だ。ずっと幸せでいて欲しいんだろ?
笑っていて欲しいんだろ? それにお前が言ったんだ。支えてあげろと。
これで許されるとは思っていないけどな」

「でもそんな事をしたらヒイラギ君、君は……」

「分かっているさ。でも俺はあいつを守れるなら、それで良い」


玲は何も言わずに優しく笑い、そして。


「君はあの子を苦しめたから、それの罪滅ぼしだとか言うつもりなんだろうけど。本当は……」