黒の三日月

言われなくてもそうするつもりだった。でも俺は隣に座る事も出来なかった。

あいつには俺が見えていたから。何故かは分からないけれど。それでも遠くから見守った。

笑っている顔が本当によく似合う、玲に似た女だ。

最初は罪滅ぼしのつもりで始めていた事だったのに、

何時しかそれは純粋な気持ちで“守りたい”と言う意思になっていた。

あの笑顔を俺は絶対に壊したくない。

何故見えているのかと言う答えを知る切欠となったのは、

仲間達が岩代紗千らしき人物の話をしていたから。

もしかして気付かない間に死にかけているとかか?

悪い予感がした。この予感は理由は違うが的中してしまう事となる。

まさか死神の王の花嫁に選ばれていたとは。

何でよりによって。真っ先に向かったのは玲の場所だった。