黒の三日月

「頼んでもいないのに勝手に守って、望んでもいないのに勝手に死のうとして。
そんなので復讐が果たせたって私は嬉しくもない!
お兄ちゃんが何言ったか知らないけどね、私なんかの為に自分を犠牲にするな……!」

「言っている事、無茶苦茶だろう。それに……だ」


瞬間、ヒイラギが倒れた。

思わず私は彼を抱きかかえて、堪え切れなかった涙を流した。

自分でも何で泣いてしまっているのかが分からなかった。

こんな形で復讐をしたくなかったからかもしれない。


「泣くとか、おかしな奴だ。それでも……悲しみと怒りに揺れる目。
俺にとってそれは……羨ましかった。
俺にはそんな風に感情を素直に出す事が出来なかったから」

「な、何言っているの!?」

「俺は、お前が好きだった」