黒の三日月

それは私にとっては喜ばしい事の筈だ。憎い相手が死んでくれると言うのだから。

なのに、だ。私の頭の中は真っ白になって。

だからなんだね。あの時、復讐は必ず果たされるなんて言ったのは。


「王様の命令は絶対。王様に逆らったら皆遅かれ早かれ必ず死ぬ。
だから、お姫様を連れ出す事を妨害しているヒイラギは死ぬ。
ヒイラギの命のリミットとお姫様を連れ出すリミットは丁度同じ。もうすぐ終わる」


あんなに苦しそうにしていたのはそれが迫っていたからなんだね。


「1度、真剣に変わっていた事件があったよね? あれはヒイラギが犯人。
オレ達じゃない。ヒイラギに話を聞いたら、なんて言ったと思う?
“あいつが少しでも気が晴れるなら”ってさ」


今日で何度目だろう。これは全て嘘だって思うのは。

あのヒイラギがそんなことする筈が……理由が見つからないもの。

あんな奴は死んでも良いんだ。お兄ちゃんを奪った罰が下ったんだよ。…………納得いかない。