黒の三日月

「無駄だよ」

「サトル……っ!」


私の走る道を遮るように、サトルが立ちはだかった。そうだった。

サトルもいたんだ。折角ヒイラギが作った道だって言うのに!


「通しては……くれないか」

「お姫様に逃げられたら、オレ達が困るから。
本当はアキラだって君を逃がしたいんだろうけどさ。
それが許されるなら、キミを襲うなんて真似はしない」


そりゃそうだろうね。倉山だって辛いだろうね。

私だけじゃない。ヒイラギも死なせなければならないんだから。


「唐突だけど、お姫様はヒイラギが殺したいほど憎い? もしそうならお姫様には朗報かな」


そう、私はヒイラギが憎い。私の大切な人を殺したのだから。

だけど朗報って一体どういう事? そしてサトルは言葉を震わせながらとある事実を私に告げた。