黒の三日月

優衣を助けたい。でも私は此処で死んで王様とやらの花嫁になる気もない。

究極の選択だ。選びたくなくても選ばざるを得ないから。

優衣が助かった後に、私が死んだから自分が助かったと知ったら?

優衣は一生苦しむ事になるかもしれない。自分の命を護る為に優衣を捨てたら?

そしたら私が一生苦しむ。……何で選ばなければならないんだろう。

友達を取るか自分を取るか。


「花嫁の宿命から逃れられたとしたら、また別の子が私と同じような目に遭うんでしょ?」

「そうなるね。オレが産まれてから、そういうのは1度も起こった事無いから分からないけど」


 私の中で1つの結論が出た。2つの命が危なくなる事を防げるのであれば。


「良いよ。私、花嫁に……」


私の決意を倉山とサトルに伝えようとしたその時だった。


「駄目だ……!」