黒の三日月

ヒイラギの方を向き、未だに元気のない彼にポツリと疑問を投げかけた。

ヒイラギには無いのだ。私を守ろうとする理由が。

だけどヒイラギは相変わらず黙ったまま。荒い息遣いだけが聞こえた。


「頼まれたから、だろう?」

「……違う」

「頼まれた……?」

「だから違うと言っている!」


ヒイラギは鋭い目つきで睨んだ。その相手が私なのか倉山なのかは分からない。

もしかしたら両方かもしれない。ヒイラギは否定したまま、倉山はそれを無視して淡々とまた喋り出した。


「さっき、監視する側の人間がいるって言っただろ?
俺達には1人に1人ずつ監視者がいる。それがヒイラギの場合……」