(お兄ちゃん、改めて言うね。私、今日でお兄ちゃんと同じ歳になっちゃったね。
こんな日が来るなんて覚悟していたけど、改めて来ると怖いね。
我儘かもしれないけれど私がお兄ちゃんより年上になっても、ずっと見守っていて下さい)
目を開けて立ち上がった時、お母さんは既に拝む事をやめていた。
私ってばそんなに長く拝んでいたのかな?
「紗千は玲がやっぱり大好きなのねえ……」
ただ一言それだけを言うと、帰り支度を始めた。
日も低い位置にあり、少し寒さを覚えた頃だった。
《この世界から去る者達よ 新たな世界で 幸多き事を願おう
苦しみも痛みも 何時かは泡となり消えるだろう》
突然聞こえた歌。この声を私は知っている。
だって春に出会ってからずっとこの声の主に復讐をしようとしていたから。
こんな日が来るなんて覚悟していたけど、改めて来ると怖いね。
我儘かもしれないけれど私がお兄ちゃんより年上になっても、ずっと見守っていて下さい)
目を開けて立ち上がった時、お母さんは既に拝む事をやめていた。
私ってばそんなに長く拝んでいたのかな?
「紗千は玲がやっぱり大好きなのねえ……」
ただ一言それだけを言うと、帰り支度を始めた。
日も低い位置にあり、少し寒さを覚えた頃だった。
《この世界から去る者達よ 新たな世界で 幸多き事を願おう
苦しみも痛みも 何時かは泡となり消えるだろう》
突然聞こえた歌。この声を私は知っている。
だって春に出会ってからずっとこの声の主に復讐をしようとしていたから。


