黒の三日月

「何なの? あれ」

「さあ? それにしても夜見君って格好良いけどあまり笑わないし、少し怖いかも」

「紗千、気にしない方が良いよ。だって紗千は少しプニッとしている方が……嘘々、冗談。睨まないでよ」


まるでヒイラギと言う名の嵐。

私とすれ違ったと思えば言葉が消えて、去った後には次々と言葉が飛び交って行く。

太っている方が可愛いってどういう事なのかと、凄く気になったけどね。ところで……。


「優衣がまだ来ないなんて珍しいね」

「そういえばそうだね。この時間には何時もいるのに」

「遅刻とか? でも皆勤賞狙っている優衣ちゃんがそんな事はしないような……」


微かに見える前方の席はキチンと椅子がしまわれていている。