黒の三日月

「柊って怪力なんだな」


ヒイラギの隣にいた倉山が笑いながら話していた。

そういえば何時の間にか倉山はヒイラギの事を名前で呼んでいる。

そんなに仲良くなったのだろうか? そんな事はどうでも良いか。


「有難うなんて言わないから」

「別にそんな物は期待していない」


その後は何事もなかったかのように何時も通り変わらない時間が過ぎて行った。体育の時間までは。


「紗千、ご機嫌ななめだねー……」


そして放課後の今。良い事って本当に何で長く続かないんだろう。

朝は優衣からクマのキーホルダーを貰ってとても嬉しかったのになあ。

この先良い事なんて一切ないような……気がする。