『……って言っているだろう!? お前だってそれを……』

「分かっているさ。それくらい」

『……あの人に、言われたのか?』

「いいや。これは俺の意思だ。あいつは関係ない」

『だったら尚更……!』

「お前の言いたい事も分かっている。だが、お前は知っているだろう? 俺は1度決めたら曲げない男だって」

『ああ……だけど……』

「だったら諦めろ」


月明かりに照らされた何もない暗い部屋の中で1人、ヒイラギは一方的に電話を切った。