黒の三日月

楽しそうに聞こえる“転校生”という言葉に私は勿論食いついた。

転校生が来てワクワクしないだなんて有り得ない。

噂によるとその転校生は男の子で、日本と何処かの国のハーフらしい。

ハーフが全て美形だと思い込んではいけないけれど、

ハーフという言葉に思わず美少年を想像してしまうのは何故だろう。


「格好良いなら狙っちゃおうかな」


冗談交じりで私はポツリとそう呟く。その呟きに優衣達は便乗してくる。

自分も狙おう、自分も狙おうって感じで。

そんな楽しいお喋りの時間はあっという間に過ぎ去る。

そして教室に戻ってすぐに担任である大瀬(おおせ)先生が入ってきた。