「まりあ、お見合いするんでしょ?」





目をキラキラさせ、嬉しそうに話すかれんちゃん。





「そうなの〜。高杉さんって方と。」


「高杉さんって言うのね〜!どんな人?写真は見たの?」


「写真はないみたい。」


「そうなの…。でも、絶対素敵な人よ!」





かれんちゃんもやっぱりそう思うのね!





そうよね!絶対素敵な人よね。





「だーかーら!絶対違うってば!さっきからブッサイクな男だって言ってるじゃない!」





また怒り出したひなのちゃん。





まだ会った事ないのに酷い言い草。





…………もしかして





「ひなのちゃん……ごめんね。私、今ごろ気づいたの…。」


「まりあ?」


「お姉様?」





昔から友達にも家族、親戚にも鈍感だとか天然だとか言われてきたけど、自覚がなかったの。





こんな時に自覚しちゃうなんて……イヤな姉。





「ひなのちゃん…本当にごめんね。私、今日のお見合い行かないわ…。」


「お姉様〜!」





パァ〜と明るくなる顔を見て、ズキンと心が痛くなる。